Technology Innovation Institute
Aisha Shaikh, +971555423718
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アブダビとUAEは、耐量子計算機暗号とニューロモーフィック・コンピューティングで画期的成果を先導するために、技術イノベーション研究所(TII)暗号研究センター(CRC)と米国のコネティカット州にあるアイビーリーグ研究大学のイエール大学との間で国際的提携を進めます。
両機関は当初は「耐量子計算機軽量暗号ハードウエア・アクセラレーターおよびトラステッド実行環境設計」で協力します。これは、新興技術の接点にあるプロジェクトであり、十分に大きい量子計算機で実行可能な新しい量子アルゴリズムの環境で耐量子暗号スキームを開発することに取り組みます。このプロジェクトは耐量子計算機暗号(PQC)アルゴリズムを活用し、強力な量子計算機が構築されてShorの量子アルゴリズムを実行できるようになってRSAや楕円曲線暗号(ECC)のような現在の公開暗号基準が無効になる場合に備え、必要なセキュリティー措置を保証することを目指します。このプロジェクトは、耐量子軽量暗号についても検討し、制約の大きいデバイスに取り組みます。
ニューロモーフィック・コンピューティング・プロジェクトの「頑健で説明可能なスパイキング・ニューラル・ネットワークのエネルギー・ベースの探索」は、脳から得たヒントを利用して情報処理のためのエネルギー効率の高いハードウエアを作り上げることを目指し、高度なタスクを実行できるようにします。このプロジェクトで検討するスパイキング・ニューラル・ネットワーク(SNN)は、標準的な人工知能のタスクを実行するためのエネルギー効率の高い代替手法として一般的になっています。スパイク(つまり、バイナリー・イベント)がSNNでの通信と演算を駆動しますが、これは生物のニューロンの処理と似ており、イベントドリブンのハードウエア・オペレーションの利点を提供します。
この協業の中心的な重点は、エネルギー・正確性・頑健性・説明可能性のトレードオフの設計空間を探り、真の意味で機能性のあるインテリジェントなシステムを作るために必要なハードウエアとソフトウエアを設計することです。重複ができないように、両組織は両方のプロジェクトの研究の具体的な領域の管理を担当します。
この提携に関して、暗号研究センター主席研究者のDr. Najwa Aarajは、このように述べています。「私たちは、イエール大学の研究者と協力してこれら2つの必須分野で画期的な研究を実行していくことに期待を感じています。暗号研究センターで、私たちは考え方を共有する科学者と研究者が参加する知識駆動型のエコシステムを作っています。その全員が、暗号の多様な分野で画期的なソリューションを設計することに取り組んでいます。」
電気工学およびコンピューター・サイエンス准教授のJakub Szefer氏と電気工学助教のPriya Panda氏(イエール大学)は、このように述べています。「暗号研究センターと協業することで、私たちは耐量子計算機暗号とニューロモーフィック・コンピューティングにわたる研究で共通の専門能力を応用する機会を得ます。私たちは、このパートナーシップが大きな影響力を持つ有効な研究成果を生み出すものと期待しています。」
先端技術研究評議会(ATRC)の応用研究の支柱である技術イノベーション研究所は、応用研究と新時代技術の能力に焦点を当てた先駆的な世界的研究開発センターです。本研究所は、量子、自律型ロボット、暗号、先端素材、デジタル・セキュリティー、指向性エネルギー、セキュア・システムに関する当初7つの専用研究センターを備えます。世界中の卓越した人材、大学、研究機関、業界パートナーと協力することで、本研究所は知識人コミュニティーを結び付け、アブダビとUAEのR&Dエコシステムの発展に貢献します。本研究所は、イノベーションの世界的中心地としてのアブダビとUAEの地位を強化し、知識経済のより広範な発展に貢献します。
暗号研究センター(CRC)の詳細情報については、こちらをご覧ください:
tii.ae/cryptographytii.ae/cryptography
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