技術イノベーション研究所の先端素材研究センターがMENA初の衝撃研究所をアブダビに開設

アブダビの先端技術研究評議会（ATRC）の応用研究の支柱である技術イノベーション研究所（TII）は本日、その先端素材研究センター（AMRC）が衝撃研究所を開設したことを発表しました。この新プロジェクトは、MENA地域初の取り組みとなり、最先端の材料、積層材、複合材を試用する理想的なテストベッドを提供します。

この最先端の研究所は、先端素材を研究所から業界へと移行できる段階まで近づけるというAMRCのビジョンとよく調和しています。速度、温度、エネルギー吸収率に関する構造評価など、衝撃に関連したさまざまな環境下で試験を実施できます。最新鋭の機器を使用して、材料の挙動を評価し、画期的ソリューションの開発に役立てられます。

この研究所は、金属材料、高分子材料、セラミック材料、複合材料の特性を高速で評価し、実世界で応用できるプロトタイプを製作できます。研究所が現在取り組んでいる重要な成果は、宇宙探査機の衝突防止、爆発に耐えるヘルメット、バンパー、タイヤ、自動車バッテリーの開発などに貢献しますが、これらはほんの数例です。衝撃のエネルギーを吸収するように設計された革新的で軽量の構造は、スポーツ、オートバイ、乗馬向けのヘルメットにも使用できます。AMRCの研究チームは、こうした成果が衝撃と材料の科学のおかげだと考えています。

TII最高経営責任者（CEO）のレイ・O・ジョンソン博士は、AMRCチームの業績を讃えて、次のように述べています。「新年を迎えるにあたり、非常に励みになるスタートを切ることができました。私たちの研究センターは、今後もブレークスルーを1つずつ達成し、同じような成果をあげることができるでしょう。TIIは、研究者が共同研究や独自の研究プロジェクトに取り組み、市場にいち早く革新をもたらすことが可能なように支援する環境の提供に努めています。」

先端素材研究センターの主任研究者のMohamed AlTeneiji博士は、次のように述べています。「この研究所は、材料に衝撃を与える新技術や、新しい製造プロセスを試験できるように、何カ月にもわたって計画し、努力した賜物であるため、研究所の設立を誇りに思います。UAEと世界中の企業に最先端の技術ソリューションを提供し、IPを開発して特許申請することで、この地域における技術の自立性に貢献することを目指しています。」

研究所で利用可能な最新鋭の技術装置には、材料の引張、圧縮、曲げの特性を判定するユニバーサル試験機があります。また、同地域初のスプリット・ホプキンソン圧力棒で、衝撃時の材料特性を測定し、-60℃の低温から225℃の高温まで読み取ることができます。

ガス銃発射ランチャーも、中東初となります。この装置は、ガス状の物質を最大1000m/秒で発射して高速で衝突させることができ、航空機に弾道飛翔物、宇宙廃棄物、鳥が与える衝撃をシミュレートできます。またドロップタワーでは、衝突した自動車や事故後のヘルメットなど、類似した状況で材料構造に与える影響を調べることができます。この装置は、低速衝撃の設定で最大25m/秒の衝撃を与えることができるため、研究者はユーザーのニーズに合わせて結果を最適化し、激しい衝撃から守るための安全対策を強化できます。

AMRCのエネルギー吸収チーム主任研究者のRafael Santiago博士は、この衝撃研究所が国際安全規制に完全に準拠しており、新材料を調査し、衝撃と爆風に対する特性を分析するために活用していくと述べています。

技術イノベーション研究所（TII）について

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