COP28 UAEの次期議長がアフリカ・エネルギー・フォーラムの傍ら、フィンテック界を先導するM-KOPAを訪問視察

COP28（第28回国連気候変動枠組条約締約国会議）議長に就任する予定のスルタン・アハメッド・アル・ジャベル（博士）UAE産業・先端技術相は、アフリカのフィンテック界を先導するプラットフォーム、M-KOPAを視察しました。視察中同相は、脆弱な遠隔地にある地域社会が長期にわたり前向きな変化を遂げるための技術を開発すると同時に、気候変動目標を達成し、気温上昇幅を1.5度以下に抑える取り組みを支援するうえで、中小企業が果たす重要な役割を強調しました。

M-KOPAはアフリカで最も成長著しい企業に挙げられるだけでなく、ザーイド・サステナビリティ賞の106人の受賞者リストにも名を連ねます。同賞は、健康、食糧、エネルギー、水、気候対策といった分野における画期的な貢献を表彰するUAEの先駆的アワードです。

この賞の創設に貢献したアル・ジャベル技術相はM-KOPA施設を視察し、同社マネージング・ディレクターであるデビッド・ダムバーガー氏から簡単な説明を受けた後で、次のように述べました。「受賞者は、持続可能な進歩を遂げるうえで私たちが現在直面している最も緊急性が高い一部の課題に継続的に取り組んでいます。良質な医療、栄養価値の高い食品、重要エネルギー、安全な水の供給、つまり私たち全員にとってより良い世界を構築する要素を提供しているのです」

アル・ジャベル技術相は、UAEが開催国となるCOP28の準備のためにアフリカ・エネルギー・フォーラムでケニアを訪問しています。COP28は今年末にドバイで開催され、世界各国が気候変動対策で協力する次のステップを踏み出す転換点となります。COP28の開催は、気候変動対策にとって大きな節目となった2015年のパリ協定から温暖化ガス削減目標年である2030年までの重要な中間点にあたり、排出量削減の世界的実績評価を初めて実施することで世界が活動の歩調を合わせる貴重な機会となります。

今回の訪問では、M-KOPAとザーイド・サステナビリティ賞の他の受賞者が世界中の脆弱な国で気候関連の課題に対処してきた功績にもスポットライトを当てています。UAE独自の優先課題に沿って、各受賞者は土地利用改革、食糧システムの変革、実用的なエネルギー転換の徹底のために重要なステップを踏み出しています。

M-KOPAは2010年の創業以降、二酸化炭素排出削減量200万トン超、インターネット未使用者40万人の接続、サハラ以南アフリカでの顧客300万人突破を達成しています。これらの達成に貢献したのが、世界でも有数の最先端オンライン金融プラットフォームの構築であり、金融手段を持たない層に10億米ドルのクレジット取得の道を開きました。また、訓練・雇用機会の拡充により、販売代理店の増収額は1億8,000万米ドルを超えています。

M-KOPAの柔軟なクレジットモデルでは、借入希望者は少額の預託金を払えば電動バイク、太陽光発電設備、スマートフォンなどの日常的な必需品をすぐに入手でき、その後ローンや健康保険といったデジタル金融サービスへとステップアップできます。最近では、2億ドルを超えるサステナビリティ・リンク債の資金調達を成功裏に達成しました。これは、太陽光製品の品揃えを拡充することで東アフリカ市場における女性の金融サービス参加を推進し、温室効果ガス排出量を削減する目的があり、気候変動対策に重要な貢献を果たします。

M-KOPAのマネージング・ディレクター、デビッド・ダムバーガー氏は次のように述べています。「スルタン・アル・ジャベル閣下にご訪問いただき、当社の持続可能ソリューションを通じて今まで成し遂げた重要な影響をご紹介できたことは、この上ない栄誉です」

「ザーイド・サステナビリティ賞を授与されたことは、当社の歴史の中でも特別な瞬間であり、受賞に深く感謝しています。M-KOPAの原動力は、銀行口座を持たない消費者を支援するという断固とした使命感にあります。一方で、柔軟なクレジットモデルとクリーン・エネルギー・ソリューションを通じて気候変動対策にも力を注いでいます。この賞には状況を一変させる力があるため、当社の成功に触発されて、アフリカの他の中小企業がこの賞に応募することを心から望んでいます。さらにこの賞は、UAEがアフリカ中小企業を支援し、人道主義という伝統を継承している証でもあります。今後も、世界中のコミュニティを力づけ、向上させ続けることでしょう」

ジャベル技術相はアフリカ訪問中に、同賞の国際高等学校部門受賞者で現在e-モビリティ企業マジィ・モビリティの最高経営責任者（CEO）を務めるジェシー・フォレスター氏とも会談し、電動のバイクやトゥクトゥクを運営する同社の近況について報告を受けました。

アル・ジャベル技術相は次のように述べています。「国際高等学校部門は、若者がその潜在能力を発揮するきっかけとなり、サステナビリティ分野でのキャリア追求を奨励する目的で新設されました。過去の受賞者を通してこれが結実するのを目の当たりにすることは、この賞には人生を変えるほど大きな影響力があることを物語っています。ジェシーが成し遂げたことを直接見ることができるのは実に感動的で、世界を変える意気込みを持つ他の若き起業家の模範となるはずです」

「気候変動は数ある問題の中でも、健康、食糧、エネルギー、水に関する課題を提示しています。脱落者を作らずに適切な移行を遂げるには「あらゆるオプションを選択する」アプローチを取ることが唯一の方策となります。中小企業は世界GDPの80％を占めますが、大部分はネット・ゼロへの道のりのスタート地点にさえ立っていません。ザーイド・サステナビリティ賞はこのようにエネルギー移行において価値を創出し、気候変動対策が持続可能な進歩につながる可能性を実証しようと努力する人々を力づけるものです。COP28の開催が近づくにつれ、私はジェシーのような若き起業家の意見と視点を後押しし、彼のような他の多数の人々の人生を変えることができる実用的な解決策を実現しようと決意を固めています」

ザーイド・サステナビリティ賞は15年 の歴史の中で、106人の受賞者が状況を改善する支援を行うことで、3億7,800万人を超える人々の生活を大きく変えてきました。健康、食糧、エネルギー、水、気候対策部門の各受賞者には60万米ドルが授与され、持続可能な解決策の範囲と規模拡大に貢献しています。国際高等学校部門の受賞者6人はそれぞれ最大10万米ドルを受け取っています。起業家が解決策を構築する支援として、同賞ではこれまでに360万米ドルを授与しています。

ザーイド・サステナビリティ賞について

ザーイド・サステナビリティ賞は、UAE建国の父、シェイク・ザーイド・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーンの遺志を讃えるものです。健康、食糧、エネルギー、水、気候対策、国際高等学校といった分野で革新的な持続可能ソリューションを実現している組織および高等学校の功績を認め、賞を授与することで、持続可能な発展と人道的な活動を推進する目的があります。15年余りにわたり106人の受賞者を通じて、151か国3億7,800万人超の生活を改善しています。

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