Technology Innovation Institute
Hanz Valbuena
アブダビの先端技術研究評議会(ATRC)の応用研究の支柱である技術イノベーション研究所(TII)は本日、当研究所のセキュアシステム研究センター(SSRC)が地域初のモーションキャプチャー(MOCAP)施設を先駆的に開設したと発表しました。米国外ではマスダールシティの施設内にあるSSRC独自のMOCAP施設において、拡張現実(AR)や複合現実の環境で無人航空機システム(UAS)やドローンの試験を実施できます。
このMOCAP施設により、SSRCはアブダビ市内の飛行をシミュレーションしたり、高精度の地上検証を実現したりして、非常に高度な実験や、仮想現実、拡張現実、複合現実の試験を行うことができます。仮想カメラの画像とセンサーをシミュレーションできる能力により、現実世界で構築するには大き過ぎたり、危険過ぎたり、時間がかかり過ぎたりする環境での試験が容易になります。
アブダビ向けに提案した高品質の本モーションキャプチャーシステムは、パッシブトラッキングやアクティブトラッキングを実行し、これまでに実現された通信、ナビゲーション、コマンド、制御の機能を強化することができます。SSRCは、世界最大の屋内モーションキャプチャー施設として一線を画している米国のパデュー大学と進めている連携の下、この施設を具体化しています。
SSRCの主任研究員であるShreekant(Ticky)Thakkar博士は、単なる自律型ドローンとは反対に、この環境でクラウドベースの安全な自律システムとしてのドローンのモデリングと運用を実現する画期的な施設について、次のように述べています。「これは始まり、それも野心的な始まりです。ドローンへの依存度が日々高まっている中で、私たちは悪意のあるサイバー攻撃を制限できる技術に到達できると確信しています。ドローンは貴重な臓器を病院に届けることから、高セキュリティーゾーンの監視の実施や畑への種子の散布、さらには食料品の配達まで、今日の生活に不可欠です。」
「この独自の試験施設は、さまざまなラボ集団が利用し、最先端の高解像度カメラで周囲の環境にある小さな物体を追跡しながら、さまざまなサイズの幅広い無人航空機システムの実験を行うことができます。SSRCにおける私たちの目的は、組織や個人のプライバシーと安全性に多様な脅威をもたらし得るドローンシステムなど、脆弱性があるかもしれないシステムを保護するための画期的なセキュリティーソリューションを開発することにあります。従って、ドローンプラットフォームの回復力とセキュリティーを高めることが不可欠です。」
パデュー大学UAS研究試験施設のマネジングディレクターであるジェームズ・ゴパート氏は、新しい施設の建設について、次のように述べています。「自律型ドローンは、荷物の配達とインフラの検査において、既に重要な役割を果たしています。スマートシティーが発展する中で、都市環境でドローンの安全運用を確保することが極めて重要になります。この施設は特に、シナリオの要素を純粋なシミュレーションから仮想の世界、そして現実の世界へと段階的に移行できるため、ドローンのセキュリティー用アルゴリズムをシミュレーションから現実世界に適用する作業に適しています。」
この試験施設は、セキュアシステム研究センターとTIIの自律ロボット工学研究センターの両方で使用され、さまざまな移動手段を対象に実験を行います。共有スペースとなる本モーションキャプチャー施設は、重量10g未満のマイクロUASから重量1000kgの大型UASまでに対応し、マルチローターからヘリコプター、垂直離着陸機(VTOL)、固定翼機までの各種のUASを考慮に入れています。
技術イノベーション研究所に関する情報については、www.tii.aeをご覧ください。
セキュアシステム研究センターに関する情報については、https://securesystems.tii.ae/をご覧ください。
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